シネマチップスに憧れて

ジジイになって来て、見た映画を忘れてまた見る、ということが増えてきた。名作ならよい。だが、好きでもない映画は大抵忘れているので、半分以上見てからようやく気がつくことがある。それを防ぐために、自分のための映画備忘録である。採点もしたが、これは単純にもう一度見る価値があるかどうか、という個人的な指標でしかない。だから総ての記事がネタバレ含む。未見の人は読まないように。

覆い尽くした安直さ 刑事物語 2 リンゴの詩 1983/日本/106分/50

 いきなりネタバレしちゃうんだけど、死ぬんだよね、ヒロインが。たしか、新人をヒロインにして、沢口靖子もこのシリーズでデビューしたと思うんだけど。

 この2作目は、園みどりって人がヒロインやってて、すごいいい感じなんだよね。めっちゃくちゃな美人ではないんだけど、役柄がそうだから余計感じたと思うんだけど、薄幸って感じが清楚な感じと相まって、めっちゃくちゃいいのよ。そりゃ武田鉄矢にはもったいないけど、まあ、それはいいんだけど。

 見てる人を惹きつける要素としてあるんだろうけど。幸せの絶頂で殺される。主人公が泣き叫ぶ。もうね。高校生でも今どきこんな分りやすい話しないよね。そりゃノンフィクションなら泣くよ、冷血動物の俺だって。

 でもさ。フィクションの物語の中で、わざわざこんな展開作るなんて、もうさ~、興ざめもいいとこ。

 ハンガーアクションとか、後半に小学生との交流のあと、好きな人を守りたかったら強くなれというこの映画のメッセージを、小学生に身体で教えるシーンとかさ。

 岸辺シローのとぼけたマヌケさや、タモリ鈴木ヒロミツ、三浦洋一とか、果ては「駅 STATION」のオマージュで倍賞千恵子が出てきたりと、面白い見どころが満載なんだよ。

 すべて最初の設定の安直さがダメにしてる。

 振られ続ける「男はつらいよ」の寅さんだって、こっちは涙流しながら見てるのに、殺すなよ。自虐過ぎるだろ。そんなに悲しみが好きなのかな。このウェットさが全く苦手。

 あと、安直さとはまあ分りやすさってことで、小学生とかにいいかと思えば、具体的ではないにしろ、レイプシーンや、女の人の裸が出てきてとても小学生とは見られない。

 結局俺に取っては存在価値なし。タモリのシーンだけの点数。