シネマチップスに憧れて

ジジイになって来て、見た映画を忘れてまた見る、ということが増えてきた。名作ならよい。だが、好きでもない映画は大抵忘れているので、半分以上見てからようやく気がつくことがある。それを防ぐために、自分のための映画備忘録である。採点もしたが、これは単純にもう一度見る価値があるかどうか、という個人的な指標でしかない。だから総ての記事がネタバレ含む。未見の人は読まないように。

フライトできず ハッピーフライト/2008年/日本/104分/3

映画を見る前に参考にするのは、もちろんwowowの時は番組表の短評である。しかし、絶対にこれは悪いことを書かない。見てほしいに決まってるから、爪の垢ほどのいいシーンを誉める。これはそういうものだから、仕方ない。ストーリーを理解する補助ぐらいには役立ってるし、それで十分だし。

ということで、今自分が結構信頼してるのが、前田有一さんという方がやってる、
★前田有一の超映画批評★
というサイト。

映画の魅力を語るときに、ネタバレをどうするのか、ということはもう大問題で、ネタバレした方が書きやすい。でも、このサイトは、ネタバレなしに、見事に的確に映画を批評しておる。すんばらしい。

ということで、映画を見る前に一応このサイトはチェックするようにしている。もちろん、このサイトで酷評されていても、そこは酷評されている、ということを参考にするだけで、それで見ないということはないけどね。

でも、ここで高評価なら、期待はもういやが上にも盛り上がる。

そこでこの映画。

超映画批評『ハッピーフライト』90点(100点満点中)

なんと90点。こんなに高得点なのはなかなかないよ。

ということで、期待に胸震わせて見た。

のだが。

最後まで見ることができなかった。

この前田さんの表現を借りると「あえて軽い味付け」がどうしても我慢できなかった。

飛行機とは、人の命を運ぶ仕事である。その人の命を預かる人びとがこんなことでいいのか。開始5分で疑問を抱き、その10分後には怒りに代わり、精神衛生上、それ以上見るのを辞めた。

ということで、自分に取っては全く見る意味のない映画なのだが、評価は高い。なんぞの間違いでこのページを訪れた人は、前田さんの批評を読んで、まずはちゃんと見てほしいとは思う。

イライラしながら我慢して見る時間が残っているほど、自分は若くはないのだ。